「よつば」です。
文字数の問題で誤解されそうなタイトルを付けてしまったんですが、「適応障害と診断されたから絶望した」という意味のタイトルではないので、はじめに書いておきます。
- 病院に行くタイミングがわからなくて絶望
- 病院がどこも予約制で絶望
- 予約制ではない病院を見つけたら待ち時間が長すぎて絶望
- 問診表の物量が膨大すぎて絶望
- 頭がまったく働かなくて絶望
- 診察前のヒアリングも当然まともに受け答えできずに絶望
- 信じられないくらい雑な診察が始まって適応障害と診断され絶望
とにかく絶望しかありません。
よつばは「うつ病かもしれない」と自覚してから、厳しい現実という名の洗礼を受け、その度に立ち上がれなくなりそうなほどの絶望を味わってきました。
あまりの悲惨さに、みなさんには決して味わってほしくない体験となってしまったので、この記事で「いったいなにが起きてしまったのか」をまとめておきます。
彼はうちのマスコットの「かとりくん」です。
蚊取り線香じゃなくて、ぶたなんだな。
この記事の目次
精神科・心療内科に行くタイミングがわからない
「うつ病かもしれない」と思い、精神科に行くことを決めたのですが、それを決断するタイミングからまず間違えていました。
よつばは、この「うつ病かもしれない」と思ったときよりも前に、精神科にかかったことは一度もありません。
同じように、精神科や心療内科という場所が、未開の地となってしまっている人は結構多いのではないでしょうか?
もし「同じだ」と思った人がいるのなら、十分に気をつけてください。
とても危険な状態です。
それでは、なにが危険なのか説明します。
精神科・心療内科に行ったことがない人は、精神科・心療内科に対する知識がありません。多分。
そのため、どのような状態であれば精神科・心療内科に行ってよいのかが、わからないのです。
このように不要なことをついつい考えてしまい、どんどん病院から足が遠のいてしまいます。
内科や耳鼻科と大きな差はありません。
内科や耳鼻科で「熱も咳もないが、喉が痛い」と言って、呆れられることはありませんよね。
それと同じようなものなのです。
よつばのように経験や知識が全くないと、「これはいよいよ病院に行かなくてはまずい」という、いわゆる重症の状態まで放置してしまうことになります。
早期発見・早期治療がよいのはもちろんのことですが、うつのような病気では、病院に行くのが遅れただけで致命傷になりかねません。
精神科・心療内科の初診はハードルが高すぎる
まず直面する問題が、「初診を受け付けてもらうことがものすごく大変である」という現実です。
他の病院であれば、待っていれば対応してもらえることがほとんどですし、完全予約制の歯医者でも「緊急性がある」と判断されたら当日でも治療してもらえることがあります。
なんとなく同じ感覚で捉えていた人は要注意ですよ。
前項のよつばのように、病院へ行くタイミングがわからなかった人は、切羽詰まった状況に追い込まれています。
その人の心身は既にぼろぼろで、難しいことはもう考えられないくらい状態になっているかと思います。
しかしそれでも、そのまま打ちひしがれているわけにはいかないと、重たい体を引きずり、決死の想いで近所の病院へ駆け込むのです。
そこに待ち受けているのは、このように冷徹な現実です。
さも普通に受診できると勘違いして保険証だけ提出したよつばは、病院中の視線だけかき集めてそそくさと帰るはめになりました。
病院にたどり着いただけでも褒めてあげたいような体調なのに、手ぶらで帰るというこの仕打ちに、ひたすら絶望します。
死にものぐるいでとにかく帰宅だけ済ませると、亡霊のような手付きでスマホを操作し、地域の精神科・心療内科を調べ始めます。
しかし、どの病院のホームページを見ても「初診は要予約」の文字。
精神科・心療内科の初診は予約制であることが一般的ですが、当時のよつばには知る由もありませんでした。
諦めて予約しようかとも考えましたが、もう病院の電話番号を調べて電話することさえできないほどに、活力が低下してしまっていたのです。
ここで不幸中の幸いですが、よつばには妻がいます。
よつばに代わって病院へ連絡し、予約を取ってくれると言ってくれました。
もつべきものはよき友人やよき家族だと、心の底から感謝しました!!
そしてまた絶望ですよ。
シリアスです。シリアス。
正直なところ、当時の記憶はあまり鮮明なものではないのですが、妻がどこに連絡しても予約はいっぱいで、直近で予約が取れる病院はありませんでした。
1ヶ月も待っていたら、その間に心が死ぬ……。
予約制であることに絶望したあとで、予約がどこもいっぱいであるということにも絶望するという、絶望の上塗りです。
頼れる人が周囲におらず、調べたり問い合わせたりすることも全て一人でやらなければならないという人は、さらなる絶望を味わうことになってしまいます。
ここまで追い詰められてしまう前に、早め早めに精神科・心療内科に行く決断をすることが必要です。
予約なしで初診をみてくれる病院を探す
個人差はあると思いますが、完全に出遅れた状態から素直に1ヶ月や2ヶ月も予約を待っていたら、冗談抜きで命の危機です。
よつばは完全にそのパターンだったので、どうにか予約なしで初診をみてくれる病院を探す必要がありました。
とはいえ、予約を待っていられないほどに追い詰められた人が、こんなピンポイントな病院を自力で探し出せるわけがありません。
なにかを調べるなんて、到底できるはずがありません。
そのような状態ですから、妻が必死に調べ物をした……のだと思います。
なぜ曖昧な言い回しになってしまうかというと、よつばは全精力がノックダウンしており、ほとんど抜け殻のような状態だったため、妻の行動などは全く覚えていないからです。
消えたい……。
死ぬしかないんだ……。
大体こんなことになっていました。
本当にすみませんでした。
こうしてよつばが自分のことでいっぱいいっぱいになっているうちに、妻が予約なしで初診をみてくれる病院を見つけてくれました。
こうやって改めて文章にしてみると、妻がいかに素敵な存在かわかります。
記憶はあやふやですが、当時のよつばが妻にお礼を言ったとは思えません。
むしろ半狂乱になって、文句の一つでもぶつけていたかもしれませんね。最低です。
恩知らずとはこのような人間のことを言いますので、みなさんは絶対こんな人間にはならないように気をつけてください。
また門前払いされてしまう
予約なしで初診を見てくれる病院を探したところまではよかったものの、よつばはまたしても門前払いされることになります。
これにはさすがに、みなさん驚いたことでしょう。
驚いたことにしておきました。
どうしてまた門前払いされてしまったのか、説明させていただきます。
予約なしで初診をみてくれるというと、とても間口が広いイメージを受けますが、それがそうでもありません。
当たり前のことですが、診察時間には限りがあります。
なので、予約なしでみられる初診の患者さんには限りがあるということです。
簡単に言ってしまうと、先着順ですね。
しかし妻は賢いので、事前にこのような情報は掴んでいました。
そしてどこからか、「開院する1時間前には並んでいないと診察してもらうのは厳しい」というような具体的な情報も入手していたんです。
なので、それに従って早めに並んだのですが、運が悪かったのか定員オーバーとなり、二度目の門前払いを経験することになったのでした。
病院のために早起きし、電車に揺られ家から離れた病院へ向かい、そこからさらに長時間並ぶ……これは当時のよつばにとっては、途方もない負担でした。
にもかかわらず、待ち受けていたのは無慈悲の門前払いです。
何度目かもう忘れましたが、絶望です。
数々の難所を乗り越えても、何度でも地の底まで叩き落されます。
体力に余裕のあるときであれば、予約して予約日を待っているだけでよいのです。
病院に行く決断が遅くなっただけで、色々なハードルがあがってしまっているのが既に伝わりつつあるかと思います。
病院にはできる限り早く行きましょう。
ようやく初診というハードルを超える
前項に書いたとおり、計画的に行動したにも関わらず、門前払いされてしまいました。
となると、同じ病院でみてもらうためには、もっと早い時間に家を出る必要があります。
先着競争に勝つしかありません。
しかし、よつばはとっくに限界を超えていたため、そんな闘争心があるわけもなく、家で弱音を吐きまくっていました。
早く行ったら待ち時間も長くなる……。
絶対無理だよ……。
諦めよう……。
そんなよつばを横目に、裏でどんなやり取りが行われていたかは全くわかりませんが、妻は言いました。
私たちはあとから行って、バトンタッチしよう。
なんと、義母が代理で並んでくれるというではありませんか。
しかも義母は隣の県に住んでいるため、それなりの移動距離があります。
にも関わらず、始発電車に乗って、最速で病院にたどり着いて並んでおいてくれるというのです!
あ、
あなたが神か!!
めちゃくちゃありがたいことなのですが、やはり当時のよつばがしっかりとお礼を言ったかどうかは怪しいです。
また迷惑かけた……。
死にたい……。
とまあ、こんな感じのことをひとしきり妻に言っていたような気がします。最低です。
このような人間にならないためにも、やはりみなさんは早め早めの受診を心がけてください。
ひたすら待つ、とにかく待つ
神が介入したことによってついに受付を通過することに成功したよつばですが、そこに待ち受けているのはさらなる絶望の始まりでした。
そもそもですが、このときのよつばはもう、普通に座っているだけでかなりしんどい状態だったのです。
家ではほとんど寝たきりのようになっていましたから、当然といえば当然ですね。
横になれるスペースでもあれば少しは楽だったかと思いますが、精神科の待合室にそこまで都合のよいものはありませんでした。
当時は人も物も怖かったので、スマホを見たり雑誌を見たりすることも、なにもできません。
暇つぶしにできることもないまま、人の動きに恐怖したり、しんどい体を支えてたりしながら、ひたすら待つのです。
ここでもまた、絶望ですよ!
待たされる時間も、5分や10分であればなんとかなりますが、もちろんそんなに早く呼ばれるわけがありません。
義母は始発電車に乗って並んでくれましたが、よつばが帰宅した時間は昼過ぎだったように記憶しています。
もし全て一人で待っていたのだとしたら、フルタイム勤務くらいの長さになっていたかもしれません。
何度でも言いますが、病院には早めに行きましょう。
ひたすら書く、とにかく書く
精神科・心療内科の初診ともなると、大抵の場合、ものすごい物量の問診表を書かされます。
ボールペンが重たく感じて、名前を書くことさえしんどい、そんな状況に追い込まれているのに、書いても書いても先の続く問診表をひたすら書かされるのです。
と、もはやお決まりのような泣き声を頭に浮かべながら、全ての力を出し尽くしてなんとか問診表を書きあげていきます。
ただ、頭が全然回っていないので、まともなことがほとんど書けません。
どれだけ労力を使って書きあげようと、ほとんど自分の容態を伝えられない事実に歯がゆい思いをしながら、そんな問診表を提出することになってしまいます。
ヒアリング、意味はあったのか
これは病院によりけりだと思いますが、先生の診察の前に、臨床心理士や看護師によるヒアリングがあることが多いです。
なるべく先生の負担を減らしつつ、患者からより多くの情報を引き出そうということなのでしょうね。
よつばのケースでは、臨床心理士さんがヒアリングを担当してくれた記憶があります。
おそらく問診表を確認しながらのヒアリングだったと思いますが、そもそも問診表の完成度は最悪といっていい出来だったはずなので、ほとんど役に立たないものだったでしょう。
さらに言えば、当時のよつばは、ほんっとうに頭が回っておらず、心理士さんが一体どういう意図で話しているのかが、全くわかりませんでした。
そのため、どんな返事をしてよいものかわからず、なにか自発的に考えることもできず、ほとんどフリーズしていたような気がします。
つらくて……。
仕事休んでて……。
えーっと……。
と、このような感じになってしまって、ほとんど自分の置かれている状況の深刻さというものが伝えられませんでした。
この深刻さを伝えられない感じが、全力で深刻さを物語っていると思うのですが、案外それも悟ってもらえないんですよ!
絶対におかしいと思います。
ここで抗議しても意味はありませんが、そのような感じでよくわからないまま無駄に時間だけ長かったヒアリングも終わりを告げます。
そうして、絶望する回数だけがひたすら増えていきます。
ついに診察、しかしここでも悲劇が
数々の難関を乗り越え、満身創痍となったよつばですが、やっとこの瞬間が訪れました。
ついに、診察の順番が回ってきたのです……!
長い道のりでしたかが、ついにこの瞬間が訪れました。
今までの苦労が、少しでも報われるかと思うと、感慨深いものがあります。
しかし、
話はまだ終わりではありません。
よつばはすぐに、またしても絶望を味わうことになってしまうのです……。
さて、診察室に案内されたので入ります。
その診察室には、女性の医師が待っていました。
よつばは促されて椅子に座ると、彼女は開口一番、こう言ったのです。
言います。
言いますよ、もう。
なるべく平静を保とうとしていましたが、我慢にも限界があります。
どうされましたかじゃねーよ!!
この計り知れないほどの苦労を乗り越えた先にその一言って、信じられますか?
しかも、膨大な問診表と、無駄に時間だけはかかったヒアリングは、一体なんの意味があったのですか?
伝達能力ゼロなんでしょうか????
って…………。
風邪じゃねーんだよ!!
失礼しました。
思うことはですね、この病院を選び、先着の激戦をくぐり抜け、朦朧とした意識で問診表を書き、そのままヒアリングを受け、そうやって診察までたどり着いているわけで、病院としてはそういう患者がどんな状態になってるかくらい想定しておかなきゃおかしいだろってことなんですよ!
抑うつ状態で、「どうしましたか?」というような抽象的な質問に答えるというのは、ほとんどできないと言っても過言ではないんですよ。
実際こんな質問を投げかけられた当時のよつばはこんな感じでした。
なにが、どう、なんだろ……。
なんて答えたらいいんだろ……。
つらくて……。
仕事、いけなくて……。
はっきり言って、抑うつ状態をこじらせた人はみんな同じようなリアクションしかできないと思います。
にも関わらず、専門家がこんな抽象的な質問を投げかけてくるなんて、論外だと思っています。
実際、10人近い精神科医と関わった経験がありますが、もっと具体的な質問をしてくれる先生が多かったです。
患者の状況を理解している先生であれば、このような質問をしてくれることが多いです。
こうしてたくさんの質問を重ねて、患者の情報をつなぎ合わせていくという作業が求められているんですよ!
さて、ちょっと過剰反応してしまいましたが、「どうされましたか?」の質問自体は悪いわけではないです……。
その質問に上手く答えられないことを察して、質問の仕方を変えていくようなやり方もあると思うからです。
一目見て、患者さんがどのくらい質問を飲み込めるかは誰にもわからないですからね。
なぜなら「どうされましたか?」に続く対応も最悪のものだったからです。
抽象的な質問を投げかけられたよつばは、前述のとおり、目を泳がせながら「つらい」「仕事に行けない」というような話をなんとか絞り出しました。
普通に考えれば、「なにがつらいのか」「どうして仕事に行けないのか」は、気になるところだと思います。
一般的な会話であれば、「なにがつらいの?」などと聞いてしまいそうですが、これだとまだ内容が抽象的すぎて、頭が追いつきません。
なのでやはり、相手の気持ちになって先回りし、「夜は眠れていますか?」というような、具体的な質問で答えを確かめていくのが理想的だと思います。
と、経験者の理想を語ってみましたが、現実は本当に非情なものでした。
よつばの返事を聞いた先生は、あろうことか、このようなことを言い出したのです。
じゃ、適応障害だね。
診断書が必要なら出すから。
薬、これとこれ出すから飲んで。
これです。
これですよ。
……。
…………。
殴るのは今からでも遅くないですよね?
やめるんだな。
でも自分の愛する人が、よつばと同じような対応をされていると知ったらどう思いますか?
誰か一人でもよつばの気持ちを理解してくれたら、それでもう満足です……。
肝心なのは当時のよつばの心境になるのですが、すでにみなさんお察しのことかとは思います。
記事を書いているよつばのように、「この野郎!」と思う気力があればよかったのですが、そんな気力は全くありませんでした。
死んでしまいたい……。
早く楽になりたい……。
こうして、また絶望です。
今こうして生きていることを自分で褒めてあげたくなるほど、絶望を繰り返しました。
自分で自分がかわいそうです。
これだけやっておきながら、振り出しに戻る
もう恐怖ですよ。
よつばは、「病院へ行けば救われる」と思っていた部分がありました。
だからこそ、何度心が折れかけようと、ぎりぎりのところで踏ん張っていました。
診察室に入り、少しだけ安堵感を感じたよつばを、地獄の底まで叩き落とした医師の発言は一生頭から離れることはないと思います。
じゃ、適応障害だね。
診断書が必要なら出すから。
薬、これとこれ出すから飲んで。
こうして心を粉々に砕かれたよつばは、ついに疑心暗鬼になって、なにも信用できなくなってしまいました。
なにを診察したのかももはやわからない、あの出来事で、投げやりに処方された薬を飲む気になれますか?
よつばはこのまま、薬を飲むことを頑なに拒否し続けました。
もちろん、同じ病院へ二度と行くことはありません。
つまり、病院へ行く前の状態に、そっくりそのまま戻ってしまったのです。
うつ病ではなく適応障害と診断されて絶望、まとめ
これがよつばの体験でした。
これだけ書いておきながら、まさかなにも進展しないとは誰が予想したことでしょう。
しかし、これが現実です。
こうならないためにも、「うつ病かもしれない」と1ミリでも感じたときには、光の速度で精神科に予約手続きをしましょう。
冒頭でも書きましたが、適応障害と診断されたことはあまり重要な要素ではなく、あまりにもひどい経過に、終始絶望していたというお話でした。
うつ病は症状も恐ろしいものですが、治療に至るまでも道のりも恐ろしいものなのです。
1人でも多くの人にこの現実を知ってほしかったので、誰かに伝わればいいなと、ぼんやり思っております。
それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました!